ゲームセンターが消えていく




スマホに勝手に落ちて来るニュースを流し見していたら、池袋の某ゲーセンが閉店するということで「Twitterでは驚きの声や閉店を惜しむ声が寄せられている」という記事が出ていました。

閉店を惜しむツイートは私自身もこの目で確認しています。

今現在、実際に足繁く通っている方にしてみれば残念な気持ちとか切ない思いというのはあるでしょうし、コロナ感染などに注意しつつ無理のない範囲で最後まで遊びに行ってもらいたいと思います。

でも。

自宅に居ながらにして全世界の人とお話したり対戦ゲームで遊べるし、バーチャルリアリティもだんだんと身近になって来たそんな現代。

昔に比べて随分と高くなったガソリン代や運賃を払ってでもゲームセンターに遊びに行く意味ってあるんでしょうか?

…と、おじさんになった我々は考えてしまいますよね。大人は行動に意味を求めてしまいがちで、それが足枷となる場合が多々あります。

だから大体のおじさんはゲームセンターには行きません。やっぱりゲーセンのメインターゲットは若年層です。

しかし今はその若年層も徐々に減ってきていますし、お小遣いや収入が減ったわりに忙しいだけ忙しくてとてもゲーセンに通う余裕などありません。

それじゃあもっと上の世代を狙おうということで、業界はシニア層向けのサービスなどを拡充していますが、残念ながらシニア層の興味はメダルゲームに向くことがほとんどで、メダル単価が崩壊している現代においては正直言ってシニアが来ても来なくてもほとんど儲けは変わりません。

アーケードゲームの課金(1プレイごとに店舗がメーカーに支払うお金)なども業界が衰退した一因かと思います。
今のアーケードゲーム業界・ゲーセン業界というのは、ゲーム機を売る側(メーカー)だけが儲かり、ゲーム機を買う側(オペレーター)は儲からないようにできています。

最近になってキャッシュレスや電子マネーを使用できる店舗も少しずつ増えてきましたが、ほとんどの店舗では消費増税分をプレイ料金に転嫁できず(100円しか入らないゲーム機がほとんどなので当たり前)ダメージを受け続けています。
電子マネーを導入できたとしても手数料や、現金が手に入るまでのタイムラグが命取りになるのでなかなか踏み切れない店舗も多いと思われます。

こうやって改めてゲームセンターを取り巻く環境を見ると、好材料が何ひとつない事が分かります。

新型コロナは多少追い打ちを掛けたに過ぎず、業界はすでにこれらの要因により死に体なのです。

セガがゲームセンター運営事業から撤退というニュースも記憶に新しいところですよね。

今後ゲームセンターの数は減ることはあっても増えることはありません。というか80年代からゲームセンターの(全体としての)数が増えたという事実は無かったように記憶しています。

今40歳前後の人達が生まれた頃にはもうピークで、そこからもうゲーセンは減る一方だったという事です。

もちろんその頃は喫茶店にテーブル型のゲーム筐体が置いてあったり、デパート1フロアの半分くらいがゲームコーナーだったり、今のようなゲームセンターとは全く違う業態でしたので、単純な比較はできませんし、正確な店舗数とは到底思えませんけれど。

しかしたくさんのいい歳した大人が喫茶店で煙草吸いながらインベーダーとかパックマンに興じているような熱気というか狂気は、もう今後感じることはできないでしょうね。

この衰退の流れは止めることはできないと思います。ミカドさんとかごく一部の知恵をしぼって営業している店舗だけが残るんじゃないでしょうか。

でもそれが悪いことだとは思いません。ゲームセンターという娯楽がなくなっても新しい娯楽が生まれ、そしてまた死んでいくだけですから。

それでも少しでも消えゆくゲーセンを減らしたい、通っていたあのゲーセンには生き残って欲しい、と本気で思うのでしたら、ただただお店にお金を落としてください。

できればネットワーク通信していないような昔ながらの筐体に入っているゲームを遊んであげてください。それが一番お店の売り上げになるので。
ネットワーク通信をするようなゲームは1プレイ100円だとすると、そのうち30円くらいはメーカーに吸い取られます。お店の取り分は70円だけです。

自分の好きだったお店がなくなってから「残念だなー」とか「時代の流れか…」とか言うんじゃなくて、大人になって時間とお金があるのであれば、今、ゲーセンでお金を使ってほしいものです。

 

 

 

 

 

 

でもどうせスマホで基本無料ゲーをポチポチやってた方が楽しいからゲーセンなんて行かないんでしょ?




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